文殊菩薩
智慧第一・学業と試験・弁舌の才

文殊菩薩

文殊師利 | 妙徳菩薩 | 妙吉祥菩薩 | 大智文殊

紹介

受験シーズンが来ると、文殊菩薩を祀る寺の供物台には、受験票のコピーが山のように積み上がります。文殊菩薩(もんじゅぼさつ)は文殊師利、大智文殊とも呼ばれ、仏教で「智慧第一」とされる大菩薩です。普賢菩薩とともに釈迦牟尼仏の脇侍を務め、あわせて「釈迦三尊」と呼ばれます。中尊が毘盧遮那仏に替わると「華厳三聖」となります。その姿は一度見たら忘れられません。右手に高く掲げた智慧の剣が断ち切るのは敵ではなく煩悩、左手には般若の経典を持ち、青い獅子にまたがって智慧の力強さを表しています。台湾では学生や受験生の守り神で、大きな試験の前に文殊菩薩の前で智慧と合格を願うのは、多くの家庭の恒例行事です。とはいえ、文殊が司るのは試験だけではありません。授けてくれるのは物事を見通す力ですから、人生の難問も持ってきて相談してみてください。

伝説

仏典における文殊菩薩の地位は驚くほど高いものです。『華厳経』では善財童子の五十三参の最初の導き手で、その一言が少年を善知識(よき師)を訪ね歩く求道の旅へと送り出しました。『維摩経』の場面はさらに見事です。維摩詰居士が病に伏し、仏陀が弟子たちに見舞いに行くよう命じると、皆が次々に辞退しました。維摩詰の弁舌があまりに鋭く、誰が行っても問い詰められてしまうからです。最後にただ文殊菩薩だけが命を受けて赴き、二人の卓越した智者が真正面から渡り合って、仏典屈指の見事な法義の対話が生まれました。

経典にはもう一つの秘密が記されています。文殊はじつはとうに仏となっており——過去世では「龍種上尊王仏」、未来世では「普見如来」——衆生を救うために、あえて菩薩の姿に戻って現れているというのです。中国の五台山は文殊の道場として尊ばれ、歴代の高僧たちが巡礼に訪れました。この智慧の信仰は仏教とともに台湾へ伝わり、台湾の受験生たちのいちばん頼もしい後ろ盾となっています。

参拝作法

文殊菩薩へのお供えには少し変わった特徴があります。生花や果物のほか、文房具——ペンや本——を供えてもよいのです。受験生がよく行うのは、受験票のコピーや試験で使うペンを仏前に持って行き、加持してもらうこと。本番で頭がすっきり働き、合格できるよう祈ります。文殊の法門を修める人は、文殊菩薩心呪「嗡 阿 惹 巴 扎 那 帝」を唱えたり、『文殊師利所説般若波羅蜜経』を読誦したりします。旧暦四月四日の文殊聖誕には各寺院で智慧法会が営まれ、受験シーズンの前後には智慧灯を灯せる寺も少なくありません。一つだけ念を押しておきます。文殊が授けるのは智慧であって、答えではありません——勉強はやはり自分でするもので、文殊が守ってくれるのは、学んだことがしっかり頭に入ることなのです。

祭日

旧暦四月四日は文殊菩薩の聖誕で、各地の大寺院では智慧法会や祈福の行事が営まれます。学校の近くにある寺の多くは、受験シーズンにあわせて「智慧灯法会」を開き、受験生が灯明を灯して祈れるようにしています。

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