伝説
仏典における文殊菩薩の地位は驚くほど高いものです。『華厳経』では善財童子の五十三参の最初の導き手で、その一言が少年を善知識(よき師)を訪ね歩く求道の旅へと送り出しました。『維摩経』の場面はさらに見事です。維摩詰居士が病に伏し、仏陀が弟子たちに見舞いに行くよう命じると、皆が次々に辞退しました。維摩詰の弁舌があまりに鋭く、誰が行っても問い詰められてしまうからです。最後にただ文殊菩薩だけが命を受けて赴き、二人の卓越した智者が真正面から渡り合って、仏典屈指の見事な法義の対話が生まれました。
経典にはもう一つの秘密が記されています。文殊はじつはとうに仏となっており——過去世では「龍種上尊王仏」、未来世では「普見如来」——衆生を救うために、あえて菩薩の姿に戻って現れているというのです。中国の五台山は文殊の道場として尊ばれ、歴代の高僧たちが巡礼に訪れました。この智慧の信仰は仏教とともに台湾へ伝わり、台湾の受験生たちのいちばん頼もしい後ろ盾となっています。
