伝説
土地婆が「人々に富貴を与えることに反対する」理由について、民間に伝わる代表的な伝説があります。
伝承によれば、玉皇大帝が土地公を下界に遣わし、その地の人々を護らせることを決めた際、土地公に「下界に降りた暁にはどのような願いを持つか」と問いました。慈悲深い土地公は答えました:「世のすべての人が富貴で平安に暮らせますように。」
その時、傍らに立っていた土地婆が首を振って玉皇大帝に異を唱えました。「それはなりません。もし誰もが富貴であれば、誰が轎を担ぎ、誰が田を耕し、誰が道を掃くのでしょうか。誰もが安楽を享受すれば、世はどう回っていくのでしょう。」
玉皇大帝は土地婆の言葉を理に適うものとして受け入れました。こうして世には貧富や貴賤の差が生じ、人々はそれぞれの因果と努力に応じて異なる境遇を得るようになりました。それ以来、土地婆は「恩恵を惜しむ神」という固定観念を背負うこととなり、土地公を参拝する信徒の多くが彼女をないがしろにすることもあります。
しかしこの物語は別の角度からも解釈できます。土地婆が体現するのは吝嗇ではなく、社会秩序と分業の智慧です。彼女の諫めがなければ、人間は動機と秩序を失っていたかもしれません。この解釈では、土地婆は世界の運行を支える隠れた守護者です。
別の伝承では、土地婆はもともと地上の徳ある女性で、生前家を治めるに長け、子の教育にも秀でていたため、死後玉皇大帝によって土地公の配偶者として封じられ、共に信徒の家庭を護るとされています。
